天使が堕ちるまで 25
小説 天使が堕ちるまで最高ランク : 37 , 更新:
俺は馬鹿だよ。
姉さんを巻き込んで、あげくの果てに心中しかけて、怪我も負わせた。俺は姉さんが好きなのに。
いや、モヤモヤ考えていてもキリがない。止めよう。
歩いていると、ついに神様のもとへ着いた。
「ん? 君は······。あぁ、巷で噂の堕天使君じゃん」
初めまして。今回は、ご相談があって来られました。
「『来られました』じゃなくて『参りました』ね。君って若干敬語使いなれてないんだ。どうした?」
俺に姉さんが居るのは、知っていますか? その事についてなんですけど······。姉さんについて説明した方が良いですか?
「大丈夫、全部知ってるから」
そうですか。
「それで、相談っていうのは?」
姉さんを生かしてください。姉さんがタブーを犯したのは、俺の所為なんです。俺が、俺が天使の住みかに行きたいって言ったから······。
「ふぅん、それで?」
だから、だから姉さんは何も悪くないんです。俺の命と引き替えに、姉さんを生かしてください。お願いします。
「うーん、そうだなぁ······。君が思っていることも伝わったし、でもなぁ」
そこを、なんとか······。
「無理、かもね」
なんでですか!? 姉さんは、姉さんは何も悪くないんですよ!? それなのに、なんでですか!
「ごめんねぇ。とりあえず一旦帰ってくれるかな?」
······わかりました。
「良い子だね。帰らないって喚く子も、結構いるから」
「じゃ、早く帰ってあげてね」
ニコニコと笑う神様と言葉に見送られ、俺は家へと歩き始めた。
なんであんなに答えを濁したのだろうか?
そこが凄く引っ掛かる。噂では『神様は冷徹で、一刀両断するから気を付けた方がいい』と聞いたのに。
まぁ、噂は噂か。
姉さんが待っているから、早く帰らないとな。
家に戻る。
は······?
「あ、お邪魔してます」
家には、死神がいた。
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