悪ノ娘【嵐×ボカロ小説①】
嵐 ボカロ 小説最高ランク : 115 , 更新:
お久しぶりです
現実が忙しすぎて全くこっちに来れませんでした
ごめんなさい
で、ボカロに『悪ノ娘』『悪ノ召使』という曲があるんですが
それを嵐でパロってみました
ウラツクにあげるほど話は長くないのでこっちにうpしました
まあ、暇つぶし程度に楽しんでくれればいいなと思っています
そして、私は文才がありません
もう一度いいます、文才がありません
そして大分文を省略しています
そこ承知でお願いします
配役はそのまま(メンバーカラー)です
何人か性別逆ですが…(苦笑)
※飽く迄も『夢小説』です 当たり前ですがリアルの世界とは一切関係がありません
「この! 無礼者!」
王宮に王女の罵声がとぶ。
ああ、また処/刑人の仕事が増える。
先月だけでも17人クビになったのに。
噴水を掃除している手を止め、代わりに額の汗を拭う。
てかこの庭を1日で掃除とか無理でしょ。
日は傾きだしているのにまだ3分の1も終わっていない。
「おい! ジュンはどこにいる!」
なんだよ。
自分から庭掃除頼んだくせに呼び出すとか。
でもここで無視すると100%クビなので渋々カズがいるであろう部屋に行く。
「何ですか」
「やっときたか。お主、時計は読めるよな」
そんな当たり前のこと聞かなくても…。
「はい、もちろんです」
「じゃあ今何時か分かるよな」
部屋にある時計を見る。
今は3時過ぎくらいだ。
あっ。
「やっと気づいたか。今日のおやつはなんじゃ」
「えっと、ブリオッシュです」
急いで準備してあるブリオッシュを取りにいく。
掃除に集中しすぎて鐘の音が聞こえなかったのかな?
よく、僕と王女のカズは顔が似ていると言われる。
言われる度に「世界には同じ顔の他人は3人いる」といってその場をしのぐ。
でも本当は他人じゃない。
双子だ。
カズは僕の姉。
僕はカズの弟。
だけど今は、君は王女、僕は召使。
もしかしたら、少しの運命の違いで立場が真逆になっていたかもしれない。
大人たちの勝手な都合でこうなった。
「遅い!」
僕が持ってきたブリオッシュをほうばりながら怒鳴った。
「すいません」
「まあいい、掃除に戻りなさい」
そっか。
まだ掃除が残っていた…。
カズは無邪気に笑っていた。
その笑顔を守る為なら、僕は悪にだってなってやる。
心の隅でそっと誓った。
馬車に揺られて約3時間。
舗装されていない砂利道だったのでかなり気持ち悪い。
御者に頼んで一旦休憩することにした。
隣国であるここは通称『緑ノ国』。
その名前の通り、国民の殆どは緑色の髪だ。
『黄ノ国』も黄色の髪(正確には金髪)は多いけど、ここはほほ全員だ。
街の中心の方で誰かが歌っている。
まだ時間があるので、気分転換にそっちに行ってみた。
そこには1人の少女がいた。
彼女も緑の髪で、見た目から貴族ではない。
…もしかして。
彼女って…。
もう一回しっかりと顔を見る。
やっぱりマサキだ。
『青ノ国』の王族であるサトシさんから結婚を申し込まれたマサキだ。
王宮で話題になったのでよく覚えている。
歌い終わったらしく、丁寧にお辞儀をしている。
僕も周りと一緒に拍手する。
「ジュンさん、そろそろ行きますよ」
御者に呼ばれたので馬車に戻る。
ちらっと後ろを振り返れば彼女は僕に向かって手を振った。
うん、サトシさんが惚れる理由もわかる。
お返しとして僕も小さく手を振った。
「緑ノ国を滅ぼしなさい」
一瞬、何言っているかわからなかった。
暫くしてやっと理解できた。
カズはサトシさんに惚れていた。
だけどサトシさんはマサキに惚れて求婚した。
だからマサキがいる緑ノ国を滅ぼせと言ったんだ。
その後部屋を出ようとする僕を止めて静かにこう言った。
「あの娘を消しなさい」
嫉妬の瞳で僕に命令した。
王女の命令は絶対。
すぐに兵士を緑ノ国へ送った。
そして緑ノ国は滅んだ。
彼女も僕の手で消えた。
その頃からだった。
国民が不審な動きをするようになったのは。
次第に不安になった僕は、カズにそのことを伝えた。
もちろん返ってくる答えはわかってる。
「今すぐ何やっているか調べなさい」
でも調べなくてもわかっている。
そしてもうすぐこの国が滅ぶことも。
国民は革命を起こそうとしている。
「全員殺しなさい」
でももう無理だ。
怒れる国民を抑えることは出来ない。
長年の戦で疲れた兵士は次々と倒れてく。
気付けば革命軍は王宮のすぐそばまで着ていた。
家臣たちは次々と逃亡していく。
「悪ノ娘よ、さっさと出てきなさい!」
革命軍のリーダーであろう女戦士が叫んだ。
聞き覚えのある声だったので、ベランダから外を見る。
ああ、やっぱりショウだ。
剣を高々と突き上げる彼女は昔の友達。
でも今は敵同士。
「ジュン、お主は逃げないのか」
後ろから声をかけた彼女は何を思っているのだろう。
少し声が震えていた。
「ねえ、もう気付いているよね」
君を守るその為ならば、僕は悪にだってなってやる。
「さあ、これを着て逃げなさい」
いつも着ている服を差し出す。
「どうして? すぐバレるよ」
「大丈夫、僕らは双子だよ。誰にもわからないさ」
僕は王女、君は逃亡者。
それでいいんだ。
「ありがとう」
逃げたのを確認した僕はショウがくるのを待った。
「処/刑は午後3時だ」
『王女』の僕にショウはそっと告げた。
それでいいんだ。
カズを守れるならいいんだ。
教会の鐘が3回なるとき、僕は静かに、それでも、ここにいる国民に聞こえるくらい大きく、こう呟いた。
「あや、おやつの時間だわ」
ー
ここまで読んで下さりありがとうございました
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